「アジア太平洋障害者の十年」最終年記念フォーラム
キャンペーン委員長 松友 了
■はじめに
最終年記念フォーラムは、3つの国際会議を横断した事業を指すが、同時に3つのキャンペーン事業が実施される。それは、国際会議へ向けたうねりを作るとともに、そのうねりの中で具体的な形を残す、という意味合いがある。換言すると、国際会議というグルーバルなイベントを、国内の身近な問題の解決と課題の実現とを結びつける作業であり、またそれによってイベントの成功を導く動きと考えている。
■3つのキャンペーンの項目とねらい
具体的なキャンペーンは、次の3つである。
1)「欠格条項:総点検キャンペーン
現在政府が進めている63の欠格条項の見直しの推進と、地方自治体における取り組みの促進を図る。
2)「市町村障害者計画」策定推進キャンペーン
計画が未設定の市町村(37%)、数値目標・精神障害者施策をもたない市町村を中心に、具体的な策定推進の運動を展開する。
3)「情報バリアフリーとIT環境整備」キャンペーン
情報弱者と呼ばれる障害者の暮らしの中に、情報に自由にアクセスできる環境を整備する運動を展開する。
■キャンペーン委員会の態勢
この事業を展開するため、最終年記念フォーラム実行委員会の中に、「キャンペーン委員会」が設けられて、それはまた以下の通り2つの部会に分けられ、実際的な企画・準備・運営を担っていく。
1)障害者施策キャンペーン部会
欠格条項と障害者計画策定の両キャンペーンはひとつの部会で担当することとした。そして、さらに3つの小委員会に分かれる。具体的な実務は、小委員会が担う形をとる。そのため、名称は次の「具体的な事業」と連動し、対になる。
(1)障害者計画・欠格条項調査小委員会、(2)都道府県キャンペーン活動小委員会、(3)ブロック集会小委員会
2)情報バリアフリー推進キャンペーン部会
企画の内容上、部会が全体を把握し、小委員会の形式はとらない。
■計画中の具体的な事業
「3つのキャンペーン」として行う具体的な事業は次のとおりである。組織的な力量に合わせ、連続的・有機的な方式によって、取り組んでいく計画である。とくに、地方障害者社会参加推進協議会を基盤とした地方からの動きが期待される。
1)障害者計画・欠格条項調査
(1)資料、文献収集調査、(2)全国都道府県・市町村宛てのアンケート調査、(3)中央評価委員会による評価、(4)都道府県実行委員会による評価、(5)都道府県実行委員会・構成団体による推進運動
2)都道府県キャンペーン活動
(1)地方障害者社会参加推進協議会(センター)を基盤、(2)都道府県実行委員会の結成(障害者団体・グループの結集)、(3)障害者計画・欠格条項調査の評価、(4)障害者計画・欠格条項に関する推進運動、(5)地方キャンペーン会議(集会)の開催、(6)募金の取り組み(7)その他
3)ブロック集会
(1)組織委員会が直轄/主唱団体を中心として、(2)500人〜1,000人規模、(3)「アジア太平洋障害者の十年」最終年記念フォーラムを意識したテーマ、(4)2001年10月〜2002年9月、(5)他の企画と「共催」「協賛」の形
4)情報バリアフリー推進
(1)情報(デジタルテレビ)オープニングシンポジウム(10/19、東京都江戸川区)、(2)情報に関するニーズ調査、(3)情報に関する施策要望推進運動
(2001年度「JDジャーナル」9月号より)